本アジサイがちょうど見頃|手まり咲きが庭園を華やかに彩る

2025年6月22日(日)、晴れ渡る東京・文京区。
朝10時頃、駒込駅から徒歩で六義園に足を運びました。真夏のような日差しが照りつける暑さでしたが、園内は木陰や池のほとりに風が流れ、暑さを忘れさせる静けさが広がっていました。
そんな中で満開を迎えていたのが、本アジサイ。手まり咲きの大ぶりな花が色とりどりに咲き誇り、庭園の緑に鮮やかなアクセントを加えていました。
青、紫、ピンク――どれも陽の光を受けていっそう鮮やかに映え、まさに写真映えのベストタイミング。朝の光がやわらかく差し込む時間帯は、撮影にもぴったりでした。
ガクアジサイはちょうど見頃・額咲きの美しさが際立つエリアも

本アジサイと並んで見頃だったのが、ガクアジサイ(額咲き)
花の中心に小さな両性花、その周囲を縁取るように咲く装飾花が特徴で、白や淡い青の花が涼しげに揺れていました。
咲き方が控えめで、全体的に平面的なシルエットが日本庭園によく馴染みます。装飾花の縁がくっきりとしていて、写真でも花のかたちが引き立ち、撮影しやすいのも魅力。
ピークを迎えている株も多く、夏日も続いていますので早めの観賞をお勧めします。
山アジサイはピークを過ぎていたが、静かな風情に魅了される
一方、期待していた山アジサイ(ヤマアジサイ)は、すでにピークを過ぎていました。
開花していた品種も、花の色がやや褪せ、葉に力強さがなくなりはじめていた印象。それでも、咲き終わりにしか出せない静けさや、しっとりとした風情があり、むしろ庭園の落ち着いた空気にぴったりでした。
「紅山(ベニヤマ)」

ほんのり赤みを帯びた装飾花は、和紙のような透け感が美しく、すでに色あせはじめている花びらもどこか儚げな印象。咲き終わりの山アジサイが見せる「静かな美」に心がとまりました。
「紅額(ベニガク)」

ギザギザの装飾花が個性的な紅額も、満開の時期を過ぎており、花数はまばら。けれど、薄っすら紅色が残る色合いと、平たく広がる花の形にどこか潔さを感じます。
群生風景と咲き終わりの魅力

園内の一角では、山アジサイの群生エリアもありました。
その多くは咲き終わりに近く、装飾花が落ちていたり色が抜けかけていたりしましたが、それがまた美しい。新緑の中に漂う“余韻のような花の存在感”がとても印象的でした。
山アジサイと他の紫陽花の違いを楽しむ

特徴 | 本アジサイ(手まり咲き) | ガクアジサイ(額咲き) | 山アジサイ(ヤマアジサイ) |
---|---|---|---|
咲き方 | 密集した球状 | 平たく装飾花が外側に | 小ぶり・繊細な装飾花が自然に広がる |
印象 | 華やか・存在感大 | 上品・控えめ | 儚く繊細・風情ある |
花のサイズ | 大きめでインパクトがある | 中程度、風に揺れる軽やかさ | 小さくて透明感ある花びら |
開花時期 | 6月中旬〜7月 | 6月中旬〜7月 | 5月下旬〜6月下旬(今回はピーク過ぎ) |
育てて楽しむ山アジサイ・七変化の美しさと土の不思議
山アジサイは、園芸用としても人気が高い品種です。最大の特徴は、土の性質によって花の色が変わる「七変化」。
- 酸性の土 → 青い花に
- アルカリ性の土 → ピンク系に
- 白花 → 色は変わらず、純粋に楽しめる
自宅で育てる場合も、鉢植えでコンパクトに育てやすく、剪定次第で花の形もコントロールしやすい植物です。
まとめ・六義園の紫陽花は“季節のグラデーション”が楽しめる

六義園の紫陽花は、ただ「咲いている花を楽しむ」だけではなく、咲き始め・満開・咲き終わりという“季節のグラデーション”そのものを感じられるのが魅力です。
今回は本アジサイがちょうど見頃で、山アジサイはピークを過ぎていたとはいえ、その落ち着いた姿にしかない美しさがありました。
にぎやかな都会の真ん中で、静けさと自然の繊細なうつろいを味わえる場所!それが六義園の紫陽花シーズンです。
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