六義園は、都会の喧騒を忘れさせてくれるような、静かな緑に包まれた日本庭園です。
この記事では、実際に訪れて撮影した写真や体験をもとに、六義園のレビューを詳しくお届けします。
しだれ桜や紅葉が美しい季節の草花、滝や池がもたらす癒しの風景、そして歴史を感じるつつじ茶屋や藤代峠まで、見どころを丁寧にご紹介。
回遊式築山泉水庭園として知られる六義園の庭園様式や、読み方・名前の由来、元禄時代から現代に至る歴史の背景にも触れながら、写真とともにその魅力を掘り下げていきます。
訪れる前に知っておきたい料金や所要時間、お得な年間パスポートの情報も網羅しているので、初めての方にも参考になる内容です。六義園のプレビューとして、散策前の予習にもぜひご活用ください。
- 実際に訪問した体験を通じて六義園の魅力がわかる
- 滝や池、茶屋など園内の見どころが写真付きで確認できる
- 六義園の歴史や名前の由来が理解できる
- 所要時間や料金など実用的な情報が得られる
六義園のレビュー:実際に訪れて感じた魅力!

- 六義園を実際に訪問した感想
- 都心とは思えない静寂と緑
- 園内の滝や池に癒される時間
- つつじ茶屋と藤代峠の風情ある景色
- 季節ごとの草花が見事だった
六義園を実際に訪問した感想

6月22日の朝、強い日差しが照りつける夏日に六義園を訪れました。JR駒込駅を降りてから大通りを一本入ると、周囲には閑静なマンションが立ち並び、その奥にひっそりと六義園の正門が現れます。都心にいることを忘れるような、落ち着いた空気がそこには流れていました。
園内へ足を踏み入れると、まず感じたのは木々の濃い緑と、思いのほか豊かな自然でした。鬱蒼と茂る庭木の下にはベンチや木陰が点在しており、日差しを避けながら静かに腰を下ろすことができます。都会の喧騒を一瞬で遮断してくれるようなこの空間は、まさに“緑の避暑地”といった趣きです。
歩いていると、木の葉が風に揺れる音や、水辺の涼やかな気配が心をほどいてくれます。ときおり飛び交う鳥の声や、日差しを透かす葉の影が足元に映る様子がとても印象的で、写真を撮る手が自然と伸びていました。
ただ、6月とはいえ気温はすでに30度近くまで上がっていたため、帽子や飲み物など熱中症対策は必須です。それでも、園内の木陰と風通しの良さに助けられ、気持ちよく1時間ほどかけてゆっくりと園内を巡ることができました。
こうして初夏の六義園を歩くうちに、季節の移ろいと自然の優しさをじんわりと感じる、贅沢な時間を味わうことができました。
都心とは思えない静寂と緑

東京都心にありながら、六義園に足を踏み入れると、そこにはまるで山奥に迷い込んだかのような静寂が広がっています。交通量の多い道路がすぐ近くにあるとは信じがたいほど、園内は鳥の声と水音だけが響く別世界です。
このように言うと大げさに思えるかもしれませんが、実際に歩いてみると、風にそよぐ木々の葉音や、池に映る空の青さが、日々のストレスをそっと洗い流してくれるようです。
特に印象的だったのは「藤代峠」からの眺望でした。園内で最も高い場所にあるこの築山からは、周囲の木々の隙間から庭全体が見渡せ、空と緑のグラデーションが広がっていました。
ただし、完全に自然に囲まれているぶん、音を立てずにそっと話す人が多く、声の大きさには少し気を遣う必要があります。そうした点も含めて、この場所がいかに「静けさ」を大切にしているかが伝わってきました。六義園は、静寂と緑を求めている人にとって、まさに理想的な都会のオアシスです。
園内の滝や池に癒される時間

六義園の散策中、静かな滝の音が聞こえてきたとき、思わず足を止めて耳を澄ませました。目に見える美しさだけでなく、聴覚までも心地よく包み込まれる瞬間です。
人工的につくられたとは思えない自然な流れで、水音が森の静けさと溶け合い、都会にいることを忘れてしまいます。
滝のそばに腰を下ろすと、ひんやりとした空気が感じられ、夏日の蒸し暑さも一瞬で和らぎました。周囲には岩の配置や植栽のバランスにも工夫が施されており、見る角度によって景色の表情が変わります。

一方で、大泉水と呼ばれる大きな池もまた、六義園の癒しを象徴する存在です。風が止まった瞬間には水面がまるで鏡のようになり、空や木々をくっきりと映し出します。
池の中央には「蓬莱島」が浮かび、橋や中の島を含めた全体の構成が、まるで一幅の日本画のように感じられました。
ただ、滝の近くはやや足場がぬかるんでいたり、飛び石も濡れていますので転倒には注意してくださいね。歩きやすい靴を履いていくのがおすすめです。
つつじ茶屋と藤代峠の風情ある景色

六義園の中でも、特に印象に残ったのが「つつじ茶屋」と「藤代峠」です。この2か所は、庭園の中でも静けさと情緒を強く感じられるスポットでした。
つつじ茶屋は、明治時代に“つつじ”の古木材を使って建てられたという珍しい建築物です。茅葺屋根と自然木の柱が織りなす風情は、現代の建物では味わえない素朴さがあります。茶屋の周囲にはモミジやツツジが植えられており、季節によって表情が変わるのも魅力です。
一方の藤代峠は、園内で最も高い築山にあたります。ここまで登ると、六義園の全体像を見下ろすことができ、まるで江戸時代の庭園全体を俯瞰しているような気持ちになります。頂上からはかつて富士山も望めたとされ、今でも晴れた日には遠くまで視界が広がります。
どちらのスポットも、それぞれに異なる「和の趣」があり、訪れるたびに違った印象を受けます。ただし、藤代峠はやや急な石段が続くため、足腰に不安のある方は無理をしない範囲で楽しむのが良いでしょう。
六義園の中でも、風景と建築、地形が織り成す美しさを実感できる場所として、この2つはぜひ立ち寄ってほしいポイントです。
季節ごとの草花が見事だった

六義園の魅力のひとつは、訪れる季節によってまったく異なる景色が楽しめることです。春にはしだれ桜、初夏にはあじさい、秋は紅葉、冬には雪吊りや霜除けと、四季を通して自然の美しさが感じられます。

私が訪れたのは初夏でしたが、園内には山あじさいが咲いており、濃い緑の中に彩りを添えていました。山紫陽花は5月の中旬ごろから咲き始めるので来年もまた訪問したいと思います。
こうした花々は単に植えられているのではなく、庭全体の構成の中で計算された位置に配置されており、歩くごとに違った発見があります。例えば、つつじ茶屋の近くには春になると見事なツツジが咲き誇り、秋にはその周囲が一面紅葉に包まれます。
ただし、草花の見頃は短いため、事前に園の公式サイトやSNSで開花状況をチェックしておくのが賢明です。また、人気の花の季節は混雑しやすくなるため、朝の早い時間帯に訪れるのがおすすめです。
このように、季節の移ろいを目と肌で感じられる六義園は、何度訪れても飽きることのない日本庭園だと感じました。
六義園のレビュー:歴史と見どころを写真で紹介

- 六義園の読み方とその由来について
- 六義園の歴史をひもとく元禄から現代
- 六義園の庭園様式の特徴を写真で解説
- 六義園の料金とお得な年間パスポート
- 六義園の所要時間とおすすめルート
- 六義園のプレビューとして写真を一挙紹介
六義園の読み方とその由来について

「六義園」は“りくぎえん”と読みますが、初めて見る方にとっては少し難しい漢字かもしれません。実際、園が造られた当初は“むくさのその”という和風の呼び名も用いられていたそうです。
この名称は、中国の古典『詩経(しきょう)』に登場する「六義(りくぎ)」という詩の分類法に由来しています。具体的には、「風・雅・頌・賦・比・興」の六つの表現技法を指し、これを平安時代の歌人・紀貫之が『古今和歌集』の序文で日本の和歌に当てはめたことが、後の庭園命名に影響を与えました。
つまり、六義園という名前は、単なる音の響きではなく、和歌の精神や文学的背景を色濃く反映しているのです。
このように考えると、六義園は単なる風景の美しさだけでなく、文化や詩情をも内包した空間であることが伝わってきます。名前の意味を知ってから歩くと、和歌に詠まれた名勝を模した「八十八境」などのスポットにも、より深みを感じられるでしょう。六義園の読み方とその由来について
六義園の歴史をひもとく元禄から現代

六義園は、ただ美しいだけの庭園ではありません。その背後には、元禄文化の華やぎと、激動の近代史をくぐり抜けてきた重厚な歴史が流れています。江戸時代から令和の今日に至るまで、多くの人々の手を経て大切に受け継がれてきました。
もともと六義園が造られたのは、元禄8年(1695年)。五代将軍・徳川綱吉から土地を拝領した側用人・柳沢吉保が、自らの文芸趣味を反映した庭園として設計・指揮を取りました。当時の駒込は、まだ自然の残る広々とした原野で、吉保はその地に池を掘り、築山を盛り、和歌に詠まれた名勝地「八十八境」を再現するという壮大な構想を実現していきます。
この庭園は「回遊式築山泉水庭園」という形式で造られました。これは、池・築山・林・茶屋などが複雑かつ調和的に配置されており、歩くたびに異なる景色が現れるという、日本独自の庭園美を追求したスタイルです。園の中央にある大泉水や蓬莱島、そして藤代峠からの眺望など、各所にその意匠が凝らされています。
江戸時代を経て、六義園は明治11年(1878年)に大きな転機を迎えます。三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎が庭園を買い取り、岩崎家の別邸として再整備されました。その後も弥太郎の弟・弥之助や息子・久弥の代に引き継がれ、大規模な植栽や石組みの修復が行われています。日露戦争後には、凱旋した東郷平八郎ら6,000人を招いた戦勝祝賀会がこの庭で開かれるなど、歴史の舞台としても活躍しました。
昭和13年(1938年)、六義園は東京市に寄贈され、一般公開されるようになります。そして昭和28年(1953年)、文化財保護法に基づき「国の特別名勝」に指定されました。戦災により一部の茶屋などが焼失する被害も受けましたが、その後の修復を経て、現在もなお当時の景観をよく保っています。
このように六義園の歴史は、元禄の雅から始まり、近代の変革期を経て、今では多くの人に愛される都立庭園へと変遷を遂げてきたと言えます。訪れるたびに、庭の奥に流れる歴史の層が感じられる——それが六義園ならではの魅力ではないでしょうか。
六義園の庭園様式の特徴を写真で解説

六義園は「回遊式築山泉水庭園」という形式で設計されており、歩きながら様々な景観を楽しめる構成になっています。まず、この形式は池と築山を組み合わせた「起伏ある景色」として完成されていて、写真ではそれぞれの見どころが点景として際立ちます。
庭園中央にある「大泉水」は、歩く者の視線を池の周囲へ導く導線となっており、水面に映る木々や橋の設えが写真で捉えたときにも印象深い構図になります。たとえば、蓬莱島が映り込んだ水鏡の写真は、静寂と奥行きを演出します。
また、築山である「藤代峠」に登ると見下ろせる庭の全景や、つつじ茶屋の前庭に配置された石組と草花の対比など、写真映えするポイントが至る所にあります。ただし、高低差があるため、撮影する際はカメラの位置や俯瞰アングルに注意したほうが、庭園の設計意図がより伝わります。
このように、写真を通じて回遊式のドラマチックな景観変化や、細部の配置設計までを表現できるのが、六義園の庭園様式の魅力です。
六義園の料金とお得な年間パスポート

六義園の入園料は、大人一般300円、65歳以上150円、小学生以下と都内在住・在学の中学生は無料となっています。グループで訪れる場合は団体割引もあるため、複数人での入園はさらにお得です。
年間パスポートは、単園利用で大人1,200円、シニア600円となっており、これで12か月間何度でも入園可能です。これに加えて「都立文化財9庭園共通パスポート」(4,000円/シニア2,000円)があり、六義園を含む9つの庭園すべてを1年間自由に巡ることができます。
いずれにしても、年間数回以上訪問する予定がある人には、パスポートの購入が費用対効果としてとても高い選択となります。ただし、発行手続きには申請が必要な場合や、紛失時の再発行には手数料がかかることがあるので、詳細は公式サイトで事前確認をおすすめします。
六義園の所要時間とおすすめルート

庭園をじっくりと散策するためには、約1時間の所要時間が見込まれます。私も1時間強で観賞を終えられました。お茶屋で一服したり写真撮影をメインにしたい方は1時間30分ほどを目安にすると、混雑や撮影ポイントの余裕を持って楽しめます。
おすすめルートは、正門から入園→しだれ桜→渡月橋→つつじ茶屋→藤代峠→大泉水一周→吹上茶屋という順序です。こう巡ることで、庭園の起伏や構成意図を感じながら、効率よく主要スポットを抑えられます。
例えば、午前中に来園するなら、しだれ桜と藤代峠の光の具合が良く、午後は水と影のコントラストが映える大泉水へと向かう流れが写真栄えします。
混雑回避のためには早朝の開園すぐの時間帯がベストです。ただ、園内にはアップダウンや石段が多いため、歩きやすい靴と暑さ・寒さ対策は忘れずに準備すると、心地よい散策ができます。
六義園のプレビューとして写真を一挙紹介

ここでは、実際に訪れて撮影した六義園の写真を通じて、園内の魅力をビジュアルでご紹介します。文字だけでは伝わりきらない空気感や光の表情を、写真から感じていただければ幸いです。
まず印象的だったのが、庭園の中心に位置する大泉水。風が穏やかな時間帯には、水面がまるで鏡のようになり、蓬莱島や空の雲が美しく映り込みます。写真では、その反射の静けさを意識して構図を選びました。

次にご紹介したいのが、藤代峠からの眺望です。園内で最も高い築山からは、大泉水を中心とした回遊式庭園の全体像が俯瞰でき、写真で見るとそのスケール感がより伝わります。四季折々の植物も視界に入り、季節の移ろいが一枚の写真の中に収まります。

また、つつじ茶屋や滝見茶屋などの建築物も、写真におさめると趣が際立ちます。茅葺きの屋根や自然素材の柱が、周囲の木々と調和していて、和の風情を感じられるスポットです。

春には満開のしだれ桜、初夏にはあじさい、秋には紅葉、冬には雪吊りと、まさに写真好きにはたまらない被写体の宝庫です。どの季節に訪れても、新しい構図や表情が発見できます。
このように、六義園はただ歩くだけでも魅力的ですが、レンズ越しに見ることでまた違った景色が浮かび上がってきます。これから訪れる方の参考として、ぜひ写真の雰囲気も感じ取っていただければと思います。
実際に歩いてわかった六義園のレビューまとめ
- 六義園は都心にありながら静寂に包まれた癒しの庭園である
- 駒込駅から徒歩でアクセスできる立地の良さが魅力
- 6月下旬でも園内は木陰が多く、暑さをしのぎながら歩ける
- 滝や池など水の要素が散策に涼感を与えてくれる
- 鳥のさえずりや葉音など自然音が心地よい空間をつくる
- 築山から見渡す藤代峠の眺望は六義園屈指のビュースポット
- つつじ茶屋などの茶屋建築に和の趣を感じることができる
- 季節ごとに異なる花々が植栽されており写真映えする
- 六義園の読み方は「りくぎえん」で詩経に由来する
- 庭園様式は回遊式築山泉水庭園で構成美に優れている
- 元禄時代に柳沢吉保が築庭した由緒ある庭園である
- 明治以降は岩崎家によって管理され、戦後は都立庭園となった
- 大人300円で入園できるほか、年間パスポートも利用可能
- 所要時間は1〜1.5時間が目安で撮影ポイントも多い
- 各スポットは地形や配置の工夫により違った表情を見せる
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