和モダンな住まいには、静けさと美しさが共存する独特の空気があります。そんな空間に、季節の花を添えることで、暮らしに彩りと心の余裕をもたらしてくれます。特に夏は、視覚的な「涼」を感じられる花や、風にそよぐ姿が印象的な植物がよく映えます。
この記事では、和モダンなインテリアや外構と調和する、夏にぴったりの花を16種類ご紹介します。落ち着いた色合い、控えめで品のある咲き方、そして日本の四季と文化に根ざした植物たち。それぞれの花の特徴や育て方、飾り方のコツまで丁寧に解説していますので、ぜひお気に入りの一鉢を見つけてみてください。
記事のポイント 和モダンな住まいに調和する夏の花の種類と特徴 花を美しく見せる飾り方や配置の工夫 育てやすさや管理のしやすい植物の選び方 和の器や空間とのコーディネート方法
和モダンな住まいに映える夏の花16選
和モダンなインテリアや外構と調和する、夏にぴったりの花を16種類を紹介します。お気に入りの花を見つけて、あなたのお住まいにも取り入れてみてはかがでしょうか。
●おすすめの花16種一覧
- アガパンサス
- ノウゼンカズラ
- ヤブカンゾウ
- 桔梗(ききょう)
- 朝顔
- 風鈴草(カンパニュラ)
- 白百合
- カサブランカ
- ヤブラン
- 日々草(にちにちそう)
- ホタルブクロ
- 斑入りフウチソウ
- 萩(はぎ)
- オミナエシ(女郎花)
- メランポジウム
- トレニア
アガパンサス(開花時期:6月〜8月)

すらりと伸びた茎の先に咲く青紫の花が、涼やかで凛とした印象を与えてくれるアガパンサス。和モダンの住まいにおいても、その直線的なフォルムと清潔感のある色合いが、美しいアクセントになります。 暑さにも比較的強く、日当たりのよい場所で育てれば花つきもよくなりますが、乾燥しすぎないように注意が必要です。また、鉢植えでも楽しめるため、玄関前やベランダでも気軽に取り入れられます。
ノウゼンカズラ(開花時期:7月〜9月)

夏の青空に映えるオレンジ色の花が印象的なノウゼンカズラは、和モダンのシンプルな外観に大胆な彩りを添える存在です。蔓性の植物で、アーチや格子に絡ませることで、立体感のある演出ができます。 ただし、成長が早く繁茂しやすいため、定期的な剪定が必要です。庭や外壁まわりで自然な動きを演出したいときにぴったりの花材です。
ヤブカンゾウ(開花時期:6月〜8月)

山野に咲く野草としても知られるヤブカンゾウは、素朴でどこか懐かしい雰囲気をもった花です。和の空間に自然に馴染み、花壇や庭の縁取りとしても活躍します。 やや湿り気のある場所を好むため、庭植えの際は水はけと水もちのバランスに配慮しましょう。多年草で一度植えれば毎年咲くため、手間が少なく長く楽しめる点も魅力です。
桔梗(ききょう)(開花時期:6月〜9月)

落ち着いた青紫の花を咲かせる桔梗は、和モダンな住まいにしっくりと馴染みます。すっと立ち上がる茎に可憐な五角形の花が咲き、空間に静かな美しさを添えてくれます。古くから日本の庭や茶室まわりに植えられてきた花であり、凛とした雰囲気が魅力です。ただし、直射日光が強すぎる場所では花が弱ることがあるため、半日陰の場所を選ぶと長く楽しめます。
朝顔(開花時期:7月〜9月)

夏を代表する花のひとつである朝顔は、和モダンな雰囲気にもよく似合います。蔓が伸びていく様子が涼やかで、花も毎朝新しい表情を見せてくれます。支柱や竹格子を使って立体的に仕立てれば、玄関まわりやベランダでも美しく演出できます。朝顔は育てやすい反面、水切れしやすい点には注意が必要です。
風鈴草(カンパニュラ)(開花時期:5月〜7月)

名前の通り、風鈴のような形をした花を咲かせる風鈴草は、視覚的にも涼感のある植物です。淡いブルーや紫の花が多く、和モダンな住空間にやさしい印象を与えてくれます。鉢植えでも育てられるため、ベランダや玄関先のアクセントにもなります。ただし高温多湿にはやや弱いため、風通しのよい場所に置くのがコツです。
白百合(開花時期:6月〜8月)

大輪の白い花を咲かせる白百合は、和洋どちらの空間にも映える花です。純白の花弁が清らかで上品な印象を与えるため、静けさのある和モダンな住まいに自然と馴染みます。品種によって花の大きさや咲き方が異なるため、空間の雰囲気に合わせて選べるのも魅力です。ただし香りが強いものもあるため、置く場所には配慮が必要です。
カサブランカ(開花時期:7月〜8月)

カサブランカの画像 カサブランカ:wikipedia ユリの中でも特に豪華な品種であるカサブランカは、その堂々とした花姿が特徴です。白百合とは異なり、より大きく重厚な印象があり、ひとつ飾るだけでも空間の印象を引き締めてくれます。和モダンな直線的な空間に置くことで、洗練されたコントラストが生まれます。ただし、切り花にすると香りがかなり強くなるため、来客のある空間ではやや控えめに使用するとよいでしょう。
ヤブラン(開花時期:8月〜10月)

ヤブランは濃い緑の葉と紫色の花穂が特徴的で、空間を引き締めるアクセントになります。草丈が低めなので、鉢植えや玄関先、植え込みの縁などにも取り入れやすい点も魅力です。また、比較的暑さにも強く、手入れが簡単なため、ガーデニング初心者にも適しています。開花期以外でも観賞価値が高いのもポイントです。
日々草(にちにちそう)(開花時期:5月〜10月)

日々草は毎日新しい花を咲かせることから名付けられ、丈夫で育てやすい花として知られています。最近では、くすみカラーの品種も増えており、和モダンのインテリアや玄関まわりにも違和感なく馴染みます。日当たりのよい場所に置けば長く咲き続けます。真夏の炎天下でも咲く丈夫な花です。
ホタルブクロ(開花時期:6月〜7月)

素朴な姿が魅力のホタルブクロは、和の静けさと調和するやさしい雰囲気を持っています。ベル型の花が控えめに咲く様子は、どこか懐かしさを感じさせます。半日陰でもよく育つため、玄関脇や植え込みなど、日当たりが限られる場所でも取り入れやすいでしょう。ただし、湿気の多い場所では根腐れしやすいため、水はけのよい用土を選ぶことが大切です。
斑入りフウチソウ(開花時期:6月〜8月)

斑入りフウチソウは風にそよぐ柔らかな葉が特徴のグラス系植物です。斑入りの品種であれば、緑と白のコントラストが美しく、鉢植えにしても映えます。和モダンの空間に自然な動きを加えてくれる存在です。直射日光は葉焼けの原因になるため、明るい日陰や半日陰の環境が適しています。
萩(はぎ)(開花時期:8月〜10月)

枝がしなやかに垂れる萩は、和の風情を大切にしたい空間に最適な花です。夏から秋にかけて咲く花は、小さくても存在感があり、移ろう季節を感じさせてくれます。剪定や支柱など少し手間はかかりますが、その分だけ風景に奥行きが生まれます。和モダンな玄関や塀まわりに植えると、四季の彩りが感じられる景観になります。
オミナエシ(女郎花)(開花時期:7月〜9月)

淡い黄色の小花を多数つけるオミナエシは、空間にやわらかな明るさを添える花です。古くから秋の七草のひとつとして親しまれており、日本の風情を感じさせます。背丈が高めなので、花壇の後方や鉢植えでも高さを活かしたレイアウトが可能です。乾燥には比較的強いですが、強風で倒れやすいため、支柱を立てて管理すると安心です。
メランポジウム(開花時期:6月〜10月)

メランポジウムは、明るい黄色の小花を株いっぱいに咲かせる元気な草花です。暑さに非常に強く、真夏でも次々に花を咲かせてくれるため、手間なく華やかさを演出できます。草丈が低く、まとまりのあるフォルムは、整った印象を大切にする和モダンな庭にもよく調和します。鉢植えでも花壇でも育てやすく、初心者にも扱いやすい品種です。
トレニア(開花時期:6月〜10月)

トレニアは、紫や淡いピンクなど涼感のある花色が特徴で、夏の暑さに強く長く楽しめる草花です。半日陰でも元気に育ち、玄関先やベランダでも取り入れやすいのが魅力。ふんわりとした印象の花姿が、落ち着いた和モダン空間にやさしく馴染みます。品のある色合いを選べば、暑い季節にも涼やかな雰囲気を添えることができます。
夏の暑さに強い草花は?

夏の日差しにも負けず元気に育つ草花は、管理の手間を減らしながらも美しい庭を保ちたい方にぴったりです。特に和モダンな空間に合わせるには、派手すぎず落ち着いた色合いやフォルムを持つ品種を選ぶのがポイントです。
暑さに強い代表的な草花:
- 日々草(にちにちそう)
- メランポジウム
- トレニア
- ヤブラン
- ノウゼンカズラ
- アガパンサス
これらの草花は高温や直射日光に強く、水切れにもある程度耐えるため、忙しい方でも安心して取り入れられます。
8月に咲く和モダンに合う花は?
8月は真夏のピークであると同時に、和モダンな庭に彩りを添える草花が豊かに咲く季節でもあります。特に開花期が重なる品種を組み合わせることで、立体感のある植栽が楽しめます。
8月に開花する主な花:
- アガパンサス
- ノウゼンカズラ
- ヤブラン
- メランポジウム
- トレニア
鉢植えでも地植えでも楽しめる花が多く、日当たりや風通しに配慮して配置すれば、長く美しさを保つことができます。
【関連記事】・和風な花壇の作り方をやさしく解説!素材と配置の基本も紹介
- 和モダンな住まいに映える夏の花16選
- アガパンサス(開花時期:6月〜8月)
- ノウゼンカズラ(開花時期:7月〜9月)
- ヤブカンゾウ(開花時期:6月〜8月)
- 桔梗(ききょう)(開花時期:6月〜9月)
- 朝顔(開花時期:7月〜9月)
- 風鈴草(カンパニュラ)(開花時期:5月〜7月)
- 白百合(開花時期:6月〜8月)
- カサブランカ(開花時期:7月〜8月)
- ヤブラン(開花時期:8月〜10月)
- 日々草(にちにちそう)(開花時期:5月〜10月)
- ホタルブクロ(開花時期:6月〜7月)
- 斑入りフウチソウ(開花時期:6月〜8月)
- 萩(はぎ)(開花時期:8月〜10月)
- オミナエシ(女郎花)(開花時期:7月〜9月)
- メランポジウム(開花時期:6月〜10月)
- トレニア(開花時期:6月〜10月)
- 夏の暑さに強い草花は?
- 8月に咲く和モダンに合う花は?
- 和モダンな空間に夏の花を美しく飾るためのヒント
和モダンな空間に夏の花を美しく飾るためのヒント

- 花の色合いと形のバランスを意識する
- 涼感を取り入れる花材選びの工夫
- 鉢植えを使って手軽に季節感を演出する
- 玄関やベランダでの置き方のアイデア
- 育てやすさと見た目の美しさを両立させる
花の色合いと形のバランスを意識する

和モダンな空間に花を取り入れる際は、色合いと形のバランスを丁寧に考えることが大切です。せっかく花を飾っても、空間の雰囲気に対して色が浮いてしまったり、花の形が主張しすぎてしまうと、かえって落ち着きのない印象になってしまいます。
例えば、和モダンな住まいでは、グレイッシュな壁や木目のインテリアが多いため、花の色もやわらかいトーンやくすみ系カラーを選ぶと空間にしっくりと馴染みます。鮮やかな赤や黄色も、彩度を抑えた品種にするだけで一気に上品な雰囲気になります。
また、花の形にも注目してみましょう。丸みのある花はやわらかさや優しさを演出し、細長い花はスタイリッシュでシャープな印象を与えます。飾る場所の広さや背景の素材に合わせて、高さや広がりのあるものを組み合わせることで、自然で心地よい空間に整えることができます。
色と形、それぞれを単体で考えるのではなく、全体の調和を意識しながら花を選ぶことが、和モダンな美しさを引き出すポイントです。
涼感を取り入れる花材選びの工夫
夏の暑さが厳しい時期こそ、見た目から涼しさを感じられる花材を選ぶことが、空間に心地よさをもたらします。特に和モダンな住まいでは、派手さよりも控えめで繊細な印象の花が相性よく調和します。
例えば、淡いブルーや薄紫の花色は、見た目にも涼やかで、気温の高さを視覚的に和らげてくれます。桔梗や風鈴草、斑入りフウチソウなどが代表的な花材です。加えて、葉に白斑や銀色のトーンが入った植物も、光を柔らかく反射し、空間に清涼感を与えます。
また、花材の形にも注目しましょう。細長くすっと伸びたフォルムや、風にそよぐような柔らかな葉姿の植物は、視線に動きを与えてくれます。こうした花材を取り入れることで、静けさと涼しさが同居する和モダンの魅力を引き立てることができます。
鉢植えを使って手軽に季節感を演出する
花を気軽に取り入れたい場合は、鉢植えを活用するのが便利です。とくに和モダンな空間では、自然素材の鉢や落ち着いた色合いの器を選ぶことで、より一層洗練された印象になります。
鉢植えは移動ができるため、日の当たり方や気温に合わせて設置場所を調整しやすいのも魅力です。例えば、日差しの強い日は半日陰に移動したり、来客時には玄関前にさりげなく飾ることで、季節感を演出することができます。
一方で、鉢のサイズや高さによっては圧迫感を与えてしまうこともあるため、植える植物のボリュームや色とのバランスを考えることが大切です。特に複数の鉢を並べる際は、高低差をつけたり器の素材を揃えたりすることで、自然なリズムを生み出すことができます。
玄関やベランダでの置き方のアイデア
限られたスペースでも、置き方を工夫するだけで花の魅力を最大限に引き出すことができます。特に玄関やベランダは、住まいの第一印象を左右する場所です。季節の花を飾ることで、来客にも心地よさを感じてもらえる空間になります。
例えば、玄関まわりには、背の低い鉢植えを左右対称に配置したり、竹製の棚やステップ台の上に並べて段差をつけることで、自然な奥行きが生まれます。足元に敷石や下草を添えると、より完成度の高い和モダン演出が可能です。ベランダでは、手すりにハンギングプランターを使ったり、木製ラックに鉢を置くなど、縦のスペースを活用することで圧迫感を減らしつつ彩りを加えることができます。風通しや日当たりにも注意しながら、植物の置き方に変化をつけると、毎日の暮らしに季節の移ろいを感じられるでしょう。
育てやすさと見た目の美しさを両立させる
毎日の暮らしの中で花を楽しむには、見た目の美しさと育てやすさの両立が重要です。どれほど美しい花でも、手間がかかりすぎると長く続けることが難しくなってしまいます。
その点で、ヤブランや日々草のような丈夫で管理しやすい植物は非常に頼もしい存在です。初心者でも扱いやすく、季節ごとの変化も楽しめるため、生活に自然と花が根付いていきます。さらに最近では丈夫でありながら色合いやフォルムにこだわった園芸品種も増えており、選択肢の幅も広がっています。
一方で、あまりにも管理が簡単なものばかりを選ぶと、デザイン面での物足りなさを感じることもあります。そんなときは、鉢や置き場所を工夫することで、植物自体はシンプルでも十分に洗練された印象に見せることができます。見た目の美しさと育てやすさ、どちらか一方に偏るのではなく、暮らしに合ったバランスを見つけることが、無理なく花を楽しむコツです。
和モダンに映える夏の花を美しく取り入れるためのポイント
- 花の色味は落ち着いたトーンやくすみ系を選ぶと空間に馴染みやすい
- 丸みのある花はやわらかい印象を、細長い花はシャープな印象を与える
- 涼感を演出するには淡いブルーや薄紫などの色合いが効果的
- 白斑入りの葉や銀葉系の植物も視覚的な清涼感を与える
- 鉢植えを使うことで季節感のある演出が手軽にできる
- 移動可能な鉢は日差しや温度に応じた配置がしやすい
- 植物のボリュームと器のサイズを合わせてバランスよく配置する
- 玄関には対称に置くことで整った印象を演出できる
- ベランダでは縦の空間を活かして高低差をつけるとよい
- 花器の色は白や生成りなど控えめな色味が調和しやすい
- 器の高さや形状によって適した花の種類も変わる
- 育てやすい植物を選ぶことで継続的に楽しめる
- ヤブランや日々草など丈夫な植物は初心者にも扱いやすい
- 手間をかけずに見た目の美しさを演出するには器や配置の工夫が重要
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