和モダンな庭の作り方とレイアウトの考え方を分かりやすく解説！

和の趣と現代的なデザインを融合させた「和モダンな庭」は、住まいに落ち着きと洗練をもたらす人気のスタイルです。この記事では、初めてでも取り組みやすい和モダンな庭の作り方について、基本から応用まで丁寧に解説します。

シンプルな構成で魅せるコツや、限られたスペースを活かすためのレイアウト術、さらには狭い敷地で映える工夫、DIYでの始め方、お金をかけずに和風の雰囲気を演出する方法など、実践的なアイデアも豊富に紹介しています。また、和モダンな玄関との一体感を高めるデザインや、フェンスによる目隠しの工夫にも触れています。

和モダンな庭の作り方をしっかり押さえることで、自宅の外構を美しく整え、日常に癒しと心のゆとりを取り入れることができるでしょう。ぜひ本記事を参考に、自分らしい和モダンな庭づくりをスタートしてみてください。

記事のポイント

和モダンな庭をシンプルに美しく仕上げる考え方
限られたスペースでも映えるレイアウトの工夫
DIYや低予算で始められる和風庭づくりの方法
素材選びや植栽、照明による和モダン演出のコツ

和モダンな庭の作り方を基礎から学ぶ
暮らしに美を取り入れる和モダンな庭の作り方は？

和モダンな庭の作り方を基礎から学ぶ

和モダンな庭をシンプルに仕上げるコツ
和モダンな庭のレイアウトを考えるポイント
狭い敷地でも映える和モダンな庭の工夫
和モダンな庭をDIYで手軽に楽しむ方法
お金をかけない庭づくりで和風の趣を演出する

和モダンな庭をシンプルに仕上げるコツ

和モダンな庭を魅力的に見せるためには、装飾を詰め込むのではなく、シンプルさを重視することが大切です。これは、日本の伝統美が持つ「引き算の美学」に基づいた考え方で、必要以上の要素を取り除くことで空間に洗練された雰囲気をもたらします。

そもそも和モダンというスタイル自体が、「和」と「モダン」をバランスよく融合させたものです。そのため、和風の装飾を多く取り入れ過ぎると古風になり過ぎてしまい、現代的なモダンさが損なわれるおそれがあります。逆に現代的な素材ばかりでまとめてしまうと、「和」の落ち着きや趣を感じにくくなるため注意が必要です。

具体的なコツとしては、色数を絞ることが挙げられます。ベージュやグレー、ブラウンなど自然に近い色をベースにすることで、空間にまとまりが生まれます。また、使用する素材も統一感を意識しましょう。例えば、自然石や木材、砂利などを少しずつ組み合わせ、素材の質感を活かした演出を心がけるとよいでしょう。

ただし、シンプルな空間に仕上げるためには「物足りなさ」を感じることもあります。そうしたときは、視線の抜けを意識した植栽や、小さな灯篭、手水鉢などアクセントになる和のアイテムを一つだけ取り入れることで、空間が引き締まり、印象に残る庭になります。

このように考えると、和モダンな庭をシンプルに仕上げることは、ただ無駄を省くのではなく、必要な要素を厳選し、調和をもたらす作業だと言えるでしょう。

和モダンな庭のレイアウトを考えるポイント

和モダンな庭の印象を左右する大きな要素の一つが「レイアウト」です。美しく、かつ機能的な庭に仕上げるためには、見た目だけでなく動線や視線の流れを意識した配置計画が欠かせません。

まず大切なのは、全体の構図を事前にしっかりとイメージすることです。和モダンの庭では、「左右対称」にこだわらず、非対称な配置を活かして自然なバランスを生み出すことが多くあります。これは自然界の不規則さを取り入れることで、庭に豊かな表情を与えるためです。

例えば、玄関から庭へと続くアプローチには、一直線ではなく、あえて少し曲がった導線を取り入れると、視覚的に広がりを感じさせることができます。その脇に控えめな植栽や石を配置すると、歩く人の目線を自然と誘導しながら空間を楽しめるようになります。

また、見せ場をどこに作るかも重要です。リビングの窓から見える位置や、玄関前の一角などに、季節感を出せる植栽や趣のある石材を配置すると、日常生活の中で自然と庭を楽しめるようになります。

注意点として、機能性を無視してデザインだけに偏ってしまうと、手入れが行き届かず、逆に荒れた印象になってしまうことがあります。そのため、水はけのよい地形にする、落葉が多い木は避けるといったメンテナンス面の配慮も、レイアウトと合わせて検討しておく必要があります。

このように、和モダンな庭のレイアウトを考える際には、美しさと使いやすさを両立させる視点が求められます。単にモノを配置するのではなく、空間全体の流れや見せ方を意識することで、心地よい庭が完成します。

狭い敷地でも映える和モダンな庭の工夫

限られた敷地でも、工夫次第で十分に和モダンな庭を実現することが可能です。むしろ、狭い空間の中だからこそ、無駄を削ぎ落とした美しさが際立ち、より一層の魅力を放つことがあります。

狭いスペースを活かすには、まず「視線の誘導」を意識することがポイントです。例えば、飛び石を斜めに並べたり、小道を曲線にすることで、視覚的な奥行きが生まれ、実際よりも広く感じさせる効果があります。直線的な配置よりも、変化をつけることで動きのある空間に仕上がります。

また、植栽の使い方も重要です。小さな庭だからといって植物を諦めるのではなく、高さに変化を持たせることで、空間に立体感を与えましょう。背の高い木を1本シンボルツリーとして配置し、その周囲を低木や苔、草花で囲むようにすると、自然の重なりが感じられるデザインになります。

素材選びにも工夫が必要です。大きな石材や広い敷石はスペースを圧迫してしまうため、細かな砂利や小ぶりの飛び石などを選び、繊細さを演出すると良いでしょう。特に、砂利を使って流れを描くように敷けば、水の流れを思わせる静かな景観が生まれます。

ただし、狭い庭ではひとつひとつの要素が目立ちやすいため、配置やバランスには細心の注意が必要です。要素を詰め込み過ぎると逆に雑然としてしまい、和モダン本来の落ち着きが失われるおそれがあります。

このように、限られたスペースであっても、「引き算」と「工夫」によって、洗練された和モダンな庭を実現することができます。大切なのは、広さよりも設計の意図とセンスです。

和モダンな庭をDIYで手軽に楽しむ方法

引用：グリーンロケットの植木チャンネルさんで小さなスペースを和モダンな庭にDIYしている様子を動画にしています。

和モダンな庭づくりをDIYで実現したい方にとって、専門的な技術が必要なのではと不安を抱くこともあるかもしれません。しかし、初めてでも取り組みやすい工夫と計画次第で、趣ある和モダンの雰囲気を自宅に取り入れることは十分可能です。

まず意識したいのが「無理なく施工できる範囲を見極めること」です。たとえば、庭全体の大規模な造成や水回りの設置などは、専門知識や機材が必要になるため、DIYには向いていません。反対に、砂利の敷設、小さな飛び石の配置、低木の植栽などは、比較的簡単で取り組みやすい工程です。

特におすすめなのは、雑草対策も兼ねた「砂利敷き」と、視覚的なアクセントになる「飛び石」の活用です。園芸店やホームセンターで手軽に入手できる玉砂利やサビ砂利を選び、庭全体ではなく一部に敷くだけでも和の印象を作れます。飛び石は直線的に並べず、少しずらして配置することで、自然な流れと奥行き感が生まれます。

また、DIYでは「照明演出」も効果的です。ソーラーライトや電池式のLEDライトを使えば、配線工事も不要で簡単に設置可能です。植栽の根元や飛び石の周囲をほのかに照らすだけで、夜間には幻想的な和モダン空間を演出できます。

ただし注意点として、植栽の選び方には慎重さが求められます。成長が早すぎたり、手入れが難しい植物を選んでしまうと、数か月後には景観が崩れてしまうこともあります。初心者には、ツワブキやヤブランのような丈夫で手間の少ない品種が適しています。

このように、和モダンな庭のDIYは小さな工夫から始められます。必要以上に難しく考えず、まずは一箇所から和の要素を取り入れてみることで、自宅の庭に新しい風景を生み出せるでしょう。

お金をかけない庭づくりで和風の趣を演出する

限られた予算の中でも、工夫と視点の転換によって、和風の趣を感じる庭をつくることは可能です。重要なのは、高価な素材を揃えることではなく、雰囲気のある要素を効果的に配置することです。

たとえば、自然素材の中でも手頃な価格で入手できる「瓦」や「枕木」は、和風の庭づくりに非常に役立ちます。瓦は敷石代わりに使うと独特の質感が生まれますし、枕木はアプローチや花壇の縁取りなど、多用途に使える便利なアイテムです。これらは古材を再利用することで、より味のある空間に仕上がります。

さらに、費用を抑えるうえで見逃せないのが「地面の処理」です。全面をタイルや石で仕上げるのではなく、一部に砂利を敷き、残りは土や防草シートでカバーするだけでも、十分に趣を演出できます。見た目だけでなく、維持管理の手間も減るため一石二鳥です。

植栽に関しても、成長がゆるやかで管理しやすい在来種を選べば、購入コストや手入れの負担を軽減できます。モミジやドウダンツツジなどは、季節の変化を感じられる上、1本でも存在感があり、庭全体の印象を高めてくれます。

一方で、予算を意識しすぎて素材や構成を妥協し過ぎると、「安っぽい印象」になってしまうリスクもあります。そこで大切なのは、全体の統一感です。色調や素材感にばらつきがないように意識し、庭の中に「主役となる場所」を設けると、空間が引き締まります。

言ってしまえば、お金をかけずとも「和の空気」を感じさせる庭づくりは十分に可能です。こだわるべきポイントを絞り込むことで、コストと美しさを両立させることができるのです。

暮らしに美を取り入れる和モダンな庭の作り方は？

和モダンな玄関と庭を一体化させるアイデア
和モダンなフェンスで目隠しと景観を両立させる
和モダンな庭におすすめの自然素材とは
四季を楽しむ和モダンな庭の植栽選び
和モダンな庭を引き立てるライトアップ術

和モダンな玄関と庭を一体化させるアイデア

和モダンな家づくりにおいて、玄関と庭が一体化して見えるデザインは、住まい全体の品格や落ち着きを高めるために非常に有効です。両者をつなぐことで、訪れた人に「第一印象で美しさを感じさせる演出」が可能になります。

まず重視すべきなのは「素材の統一感」です。たとえば、玄関アプローチに使う石材やタイルと、庭に配置する飛び石や縁取りの素材に共通性を持たせることで、視覚的なつながりが生まれます。また、色合いをグレー系やベージュ系など自然色で揃えると、より一層和モダンらしい雰囲気になります。

次に重要なのが「植栽による連続性」です。玄関横に植えた樹木と庭の植栽が自然に続くよう配置することで、空間の境界が曖昧になり、あたかもひとつながりの風景のように見せることができます。モミジやナンテンなど、季節の移ろいを感じさせる樹種を選ぶことで、年中変化のあるアプローチが完成します。

さらに、ライトアップの工夫も欠かせません。玄関と庭の両方に低めの照明を設置し、足元や植栽をやわらかく照らすことで、夜間にも統一感ある演出ができます。特に灯籠風のライトは、和の雰囲気を強調しつつ安全性も高めてくれます。

ただし、注意すべき点としては、装飾を過剰に盛り込んでしまうと和モダンの「洗練された印象」が損なわれることです。あくまで「引き算の美学」を意識し、必要な要素だけを選び抜くことがポイントです。

このように、玄関と庭を一体化させることで、住まい全体の完成度が一段と高まり、和モダンの魅力が自然に伝わる空間をつくることができます。入口から日常生活にかけて、美しさが続く住まいは、心地よい暮らしの象徴とも言えるでしょう。

和モダンなフェンスで目隠しと景観を両立させる

住まいにおけるプライバシー確保のためにフェンスを設けることは一般的ですが、和モダンな庭においては、単なる遮蔽物ではなく、景観の一部として調和させることが求められます。目隠し効果と美観を両立するためには、素材・デザイン・設置位置のバランスが重要です。

和モダンの庭に合うフェンスとして代表的なのは、縦格子や竹垣をモチーフにした意匠です。たとえば、縦格子は外部からの視線を効果的に遮りながら、内側からの開放感も損なわず、程よい透け感で空間に奥行きをもたらします。

また、和の雰囲気を出すうえでは天然竹を用いた竹垣も人気ですが、耐久性を考慮して人工素材で作られた竹垣風パネルを選ぶのも良い選択肢です。

さらに、目隠しの役割を担うフェンスを庭の「背景」として活用する方法もあります。たとえば、落ち着いたダークカラーのフェンスを設けることで、前景に配置された植栽や石材がより引き立ち、庭全体の美しさが強調されます。

視線を遮るだけでなく、あえて見せたい景色を強調する工夫があると、空間の完成度が一気に高まります。

ただし、注意すべき点は、あまりに閉鎖的なデザインにしてしまうと、庭が狭く、重たく見えることがある点です。適度に抜け感を持たせたり、植栽と組み合わせて柔らかい印象を加えることも検討しましょう。

このように、フェンスはただの「境界線」ではありません。和モダンの庭においては、意匠性と機能性の両面を満たすデザインにすることで、外からの視線を遮りつつも、美しさを損なわない庭づくりが可能になります。

和モダンな庭におすすめの自然素材とは

和モダンな庭をつくる上で、素材選びはデザインの印象を大きく左右します。中でも「自然素材」を効果的に取り入れることで、温かみと風合いのある空間が実現できます。

人工的な素材では表現できない「経年変化」や「質感」が、和モダンらしい落ち着きと奥行きをもたらすからです。特におすすめされるのは、石・木・土などの素材です。たとえば、御影石や大谷石といった自然石は、重厚感がありながらも庭に自然な存在感を与えます。

飛び石やアプローチ、囲いとして使うと、格式ある日本庭園のような印象に近づきます。石の表情は一つ一つ異なり、並べ方や大きさの組み合わせによって多彩なデザインが楽しめます。

木材では、杉やヒノキなどの国産材が人気です。特にウッドデッキやフェンス、目隠しの格子などに使用することで、ナチュラルな雰囲気を演出できます。ただし、天然木は風雨にさらされると腐食しやすいため、防腐処理を施したり、メンテナンスを前提に設計することが大切です。

また、土壁や漆喰も和の風情を高める素材のひとつです。塀や壁面に部分的に使うだけでも、空間に静けさや品格を感じさせます。最近では、自然素材の質感を再現した左官仕上げのモダンな外壁材も登場しており、コストや施工性の面でも選択肢が広がっています。

一方で、自然素材には「手入れが必要」「コストが高くなる傾向がある」などの側面もあります。見た目の美しさだけでなく、耐久性や予算、維持のしやすさも含めて選ぶことが重要です。

こうして自然素材を選ぶ際には、単なる装飾としてではなく、「庭と共に時を重ねていける素材」として捉えると、より深い満足感を得られるでしょう。

四季を楽しむ和モダンな庭の植栽選び

和モダンな庭において、植栽は季節感を感じさせる大切な要素です。植栽の種類や配置次第で、同じ庭でもまったく異なる印象に仕上がります。とくに四季の移ろいを楽しみたい場合は、「変化」を前提に植栽を計画することがカギになります。

春には花を咲かせるウメやサクラ、夏には青々としたヤマボウシやアジサイ、秋には紅葉が美しいモミジ、冬には赤い実が印象的なナンテンなど、季節ごとの特徴が際立つ植物を選ぶと、1年を通して庭に動きと彩りが加わります。こうした植物は視覚的な変化だけでなく、香りや音（葉の擦れる音など）といった五感にも働きかけるため、空間に豊かさが増します。

植栽を選ぶ際には、高低差や奥行きを意識するのもポイントです。例えば、背の高い木をシンボルツリーとして中心に据え、その足元に中低木やグラウンドカバーを組み合わせると、自然の山景に近い立体感を演出できます。苔や地被植物を取り入れることで、地面にも緑が広がり、全体のバランスが整います。

ただし、すべての季節で満開を目指すと管理が難しくなるため、あえて「静けさのある季節」を設けるのも一つの工夫です。例えば、冬の庭には葉を落とした樹木と石組みの対比を活かし、侘び寂びを感じさせる静謐な雰囲気を演出することができます。

前述の通り、和モダンの庭では「過度な装飾」を避けることが基本です。植栽も同様で、多くを詰め込むよりも、ひとつひとつの植物の表情を活かす配置が求められます。

このように、四季を意識した植栽選びは、暮らしの中に自然とのつながりを取り戻す手段にもなります。日々の中でふと目にする風景が変化していく喜びは、何よりも贅沢な庭の魅力です。

和モダンな庭を引き立てるライトアップ術

夜の和モダンな庭を美しく演出するためには、ライトアップの工夫が非常に効果的です。昼間とは異なる魅力を引き出し、静けさや情緒を際立たせる照明は、住まいの印象をワンランク上げる要素として注目されています。

和モダンの庭に適した照明としては、やわらかな光を放つ「間接照明」や「足元照明」があります。たとえば、植栽の根元に小さなスポットライトを設置すると、葉や枝の影が壁や地面に投影されて幻想的な風景をつくり出します。また、飛び石の横に設けた間接照明が、夜間の安全性を高めつつ趣のある景観を実現してくれます。

さらに、灯籠や和紙風のライトなど、和の意匠を取り入れた照明器具を使うことで、庭の雰囲気を損なわずに演出することが可能です。光源を直接見せるのではなく、ぼんやりと周囲を照らすようにすることで、落ち着いた空気が生まれます。

ただし、照明の使い過ぎには注意が必要です。強すぎる光や過剰な配置は、和モダンが本来持つ「静けさ」や「余白の美」を損ねてしまう恐れがあります。あくまで「夜の景色を引き立てるための脇役」として照明を位置づけ、必要な場所にだけ設置するのが理想です。

また、照明には電気代やメンテナンスといったランニングコストも発生します。そのため、ソーラーライトやLEDなど、省エネ性能が高いものを選ぶと、経済的にも負担が少なく長く楽しめます。このようにライトアップは、和モダンの庭に奥行きと物語性を加えるための効果的な手段です。光の力を借りて、日中とは異なる「もうひとつの庭」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

モダンな庭をおしゃれにライトアップする方法も解説していますのでこちらもご覧ください