【決定版】和風の庭園を下草で彩る 人気品種と植栽デザイン徹底解説

六義園内になある雪見灯篭の周りに下草が生えている画像 苔・植栽・庭木

和風の庭園は、庭木や石組みの配置だけでなく、足元を彩る下草によって完成度が大きく変わります。

下草は季節の移ろいを感じさせるだけでなく、庭全体の雰囲気を引き締め、雑草の抑制や土壌保護にも役立つ重要な存在です。

本記事では、代表的な種類をまとめた下草一覧や、人気の品種を選びやすくする下草ランキングを紹介します。

さらに、和モダンの下草やグランドカバーの活用法、庭木と下草の組み合わせ方、日向や日陰に強い品種選びのポイントも解説。

もみじの足元を引き立てる下草や、季節感を演出する一年草、和風の庭に合う草花なども取り上げ、初心者から本格的な庭づくりを目指す方まで役立つ内容をお届けします。

記事のポイント
  • 和風庭園に適した代表的な下草の種類と特徴
  • 日向や日陰など環境別の下草選びのポイント
  • 庭木や低木と下草の効果的な組み合わせ方
  • 四季や景観に合わせた下草の活用方法

和風の庭園を下草でおしゃれに演出!

  • 代表的な下草を一覧で紹介
  • 下草の人気ランキングは?
  • 和モダンに合う下草で現代的な庭を演出
  • 和モダンに合うグランドカバーの活用法
  • 庭木と下草の組み合わせの基本

代表的な下草を一覧で紹介

和風の庭園では、下草は単なる「隙間を埋める植物」ではなく、庭全体の雰囲気や四季の移ろいを引き立てる重要な役割を担います。ここでは管理のしやすさや景観効果を考慮し、代表的な下草を特徴とともに紹介します。

タマリュウ

タマリュウの画像


常緑で耐陰性が高く、一年を通して鮮やかな緑を保ちます。芝生のような緑の絨毯を小面積から再現 可能。

【おすすめポイント】通路や石組みの縁取りに最適で、雑草抑制にも効果的。

リュウノヒゲ

リュウノヒゲの画像

細長い葉が垂れ、柔らかな印象を与える多年草。半日陰から日陰で安定して育ちます。

【おすすめポイント】涼しげな景観演出に向き、花後には青黒い実も楽しめる。

斑入りヤブラン

ヤブランの画像


白や黄色の斑入り葉が特徴。夏から秋にかけて紫の花穂をつけます。

【おすすめポイント】暗くなりがちな庭の一角に明るさをプラス。

セキショウ(オゴン)

オゴンの画像


水辺や湿地帯で映える多年草。黄金色の葉が印象的な「オゴン」は特に人気。

【おすすめポイント】湿気のある場所で長く美しさを保つ。

カンスゲ

カンスゲの写真


細くシャープな葉が特徴の常緑多年草。冬場も色あせずに存在感を発揮します。

【おすすめポイント】ロックガーデンや石灯籠まわりに映える。

ギボウシ

キボウシの画像

葉色や模様のバリエーションが豊富な多年草。初夏には淡い花を咲かせます。

【おすすめポイント】半日陰でよく育ち、葉の大きさで庭に奥行きを与える。

ハラン

ハランの画像


大きな光沢葉が特徴の常緑植物。日陰や建物際でも生育が安定します。

【おすすめポイント】和の重厚感を足元から演出。

オモト

オモトの写真
引用:楽天

耐陰性が高く、冬には赤い実をつける常緑多年草。

【おすすめポイント】門周りや玄関前に置くと季節感と格式を添えられる。

フッキソウ

フッキソウの写真

常緑の低木状多年草で、春に白い小花を咲かせます。

【おすすめポイント】日陰でのグランドカバーとして優秀。

斑入りフウチソウ

斑入りフウチソウの写真
斑入りフウチソウ

黄緑やクリーム色の縞模様が入った葉が特徴の多年草。風に揺れる姿が軽やかで涼やか。冬は地上部が枯れるが春に再び芽吹く。

【おすすめポイント】半日陰から日陰で育ち、暗くなりがちな庭に明るい印象を与える。

コケ類(スナゴケ・ハイゴケなど)

杉苔の写真
杉苔

低く密生して育ち、しっとりした和の趣を演出します。

【おすすめポイント】石組みや飛び石の隙間を自然に覆う。

参考・引用元

農林水産省「花きの現状について(令和7年6月版)」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kaki/flower/attach/pdf/index-106.pdf
農研機構「日本の園芸植物データベース」
https://www.naro.go.jp/laboratory/tarc/contents/db/
など公的機関や専門団体による一次情報を参照

下草の人気ランキングは?

和風庭園の下草は、ただ地面を覆うだけではなく、庭全体の景観や季節感を引き立てる大切な存在です。見た目の美しさはもちろん、耐久性や手入れのしやすさ、日当たりや湿度への適応力も人気を左右します。

住宅の庭や寺社、公園など、さまざまな場所で長く美しさを保てる下草は特に重宝されています。

ここでは、園芸現場での使用頻度や流通量、専門家からの評価をもとに、特に人気の高い5種類を紹介します。どれも和風庭園だけでなく、和モダンや洋風の庭にもなじむ種類です。

1位 タマリュウ
常緑で管理が容易、雑草抑制効果が高く、個人宅から公共施設まで幅広く採用される定番

2位 斑入りヤブラン
斑入り葉の明るさと、夏から秋の紫花が楽しめる彩り豊かな下草

3位 セキショウ(オゴン)
黄金色の葉が景観のアクセントになり、水辺や湿地帯で特に映える

4位 カンスゲ
細くシャープな葉が美しく、耐陰性にも優れた常緑多年草

5位 ギボウシ
葉の大きさや模様のバリエーションが豊富で、半日陰でもよく育つ

ランキングはあくまで一般的な評価であり、庭の条件や目的によって最適な下草は変わる。日照条件や土壌の性質、湿度、メンテナンスにかけられる手間を考慮して選ぶことが、長く美しい景観を保つためのポイントになります。

和モダンに合う下草で現代的な庭を演出

和モダンの庭は、伝統的な和風庭園の静けさと、現代的なデザインのシンプルさを融合させた空間です。その雰囲気を引き立てる下草選びでは、過剰な装飾性よりも、落ち着きのある葉色や整ったフォルムを持つ植物が好まれます。

例えば、タマリュウやリュウノヒゲは濃緑の小さな葉で庭を引き締め、石組みやコンクリートの舗装とも自然に馴染みます。

斑入りヤブランは白や淡黄色のラインが入り、庭の一角に明るいアクセントを与えることができます。また、カンスゲやヤブランのような細葉の下草は、風に揺れる姿が現代的な庭の軽やかさを演出します。

日向のエリアでは、セキショウハイビャクシンが映えます。セキショウは水辺や石の近くに植えると自然な湿地の雰囲気を醸し出し、ハイビャクシンは横に広がる樹形がモダンなラインを作ります。

一方で、日陰のエリアではハランやオモトが安定感を与え、建物際やアプローチの足元に落ち着いた緑を保ちます。

下草の配置は、全体の色彩バランスを考慮しながら、直線的な舗装や無機質な素材の近くに有機的な形状を持つ植物を組み合わせるのが効果的です。

これにより、和モダン特有の「静と動」「直線と曲線」のコントラストが際立ち、庭全体に現代的な美しさが生まれます。

和モダンに合うグランドカバーの活用法

グランドカバーは、地表を覆うことで雑草抑制や土壌保護を行いながら、庭のデザイン性を高める役割を果たします。

和モダンの庭では、見た目のシンプルさと機能性を兼ね備えた種類を選ぶことで、景観と実用性の両立が可能です。

リュウノヒゲやタマリュウは、常緑性と耐陰性に優れ、飛び石やアプローチの隙間を緑でつなぐ定番のグランドカバーです。

芝生のように刈り込みの手間が少なく、都市部の限られたスペースにも向いています。日当たりの良い場所では、ハイビャクシンやタイム類が地面を覆い、乾燥にも強く、モダンな素材と調和します。

また、砂利や石張りと組み合わせて植えると、メンテナンス性が向上し、雑草の発生を最小限に抑えられます。

苔類を部分的に取り入れることで、硬質な素材の中に柔らかさが加わり、落ち着いた印象が生まれます。ただし、苔は乾燥や踏みつけに弱いため、管理条件を満たせる場所に限定することが重要です。

グランドカバーは一種類で統一するのも良いですが、異なる質感や高さの種類を組み合わせると、和モダンの庭に奥行きが生まれます。

植栽エリアを明確に区切り、素材と植物の境界を意識することで、現代的で洗練された庭空間を実現できます。

庭木と下草の組み合わせの基本

庭木と下草の組み合わせは、単に見た目を整えるだけでなく、庭全体の印象や維持管理のしやすさにも大きく影響します。

和風庭園では、庭木の足元を下草で覆うことで土の乾燥を防ぎ、雑草の発生を抑えつつ、景観の一体感を生み出します。

まず考えるべきは、日照条件と水はけです。庭木が落葉樹か常緑樹かによって、下草に届く日差しや湿度は変わります。

例えば、春から夏にかけて強い日差しが当たる場所では、日向に強いタマリュウやセキショウが適しています。一方で、樹冠が茂り日陰になる場所には、ハランやオモトのような耐陰性の高い下草が向きます。

色彩のバランスも重要です。濃緑の松やモミジの足元には、斑入りヤブランや白花のギボウシを組み合わせると、色のコントラストが際立ちます。逆に、低木や下草を同系色で揃えると、庭全体に落ち着いた雰囲気が生まれます。

植え付けの際は、庭木の根を傷めないよう、浅植えで広がるタイプの下草を選び、根元から少し離して配置すると管理が容易になります。

さらに、石や苔をポイントとして加えると、視覚的なリズムが生まれ、四季折々の変化を楽しめる庭に仕上がります。

和風の庭園に合う低木とは?

和風庭園に合う低木は、庭の主役である高木や石組みを引き立て、視線を自然に誘導する役割を持ちます。低木は高さが概ね1〜3メートルほどで、庭のスケール感を整えるのに適しています。

定番としては、ツツジ類やサツキが挙げられます。春から初夏にかけて咲く花は季節感を強調し、刈り込みで形を整えやすいため、管理面でも優れています。モミジやカエデの足元に植えると、紅葉との色彩の対比が美しく映えます。

常緑の低木では、ヒイラギナンテンやアセビが人気です。冬季も葉が落ちず、庭の緑を保つ役割を果たします。

特にアセビは春先に房状の白花をつけ、和風の趣を一層高めます。低木を選ぶ際は、庭の主題や周囲の植栽との高さ・葉色・開花期のバランスを考慮します。例えば、石灯籠や水鉢の周囲には樹形が柔らかい低木を配すると、硬質な素材との調和がとれます。

さらに、低木の根元に下草を合わせることで、地表から樹冠までの視線の流れが途切れず、統一感のある景観が完成します。

和風の庭園を下草と植栽で美しくデザインする

  • 和風の下草で日向に強いおすすめ植物
  • 和風の下草で日陰で映える品種
  • 和風の一年草は?季節感を出す種類
  • もみじに合う下草におすすめなのは?
  • 和風の庭に合う草花で四季を彩る

和風の下草で日向に強いおすすめ植物

日当たりの良い場所に適した下草は、強い直射日光や乾燥にも耐えられる性質を持ちます。和風庭園では、こうした日向向けの植物を取り入れることで、夏場も美しい緑を保ち、雑草の発生を抑える効果が期待できます。

代表的なのはタマリュウです。常緑性で踏みつけにも比較的強く、石組みや飛び石の間を緑でつなぐ用途に最適です。葉色が濃く、整った株姿が和風の庭に自然に馴染みます。同じくリュウノヒゲも日向で安定して育ち、青黒い実が秋の季節感を演出します。

乾燥に強いセキショウは、水辺だけでなく日当たりの良い庭でも育成可能です。黄金葉の品種は、緑が多い庭の中で明るいアクセントになります。さらに、ハイビャクシンは低木状に広がる常緑針葉樹で、グランドカバーとしても活躍し、現代的な和モダン庭園にもよく合います。

植え付けの際は、土壌の水はけを確保することが重要です。腐葉土や砂を混ぜて通気性を高めれば、夏の蒸れや根腐れを防げます。また、日向の下草は成長が早いものも多いため、定期的な刈り込みで美しい形を保ちましょう。

和風の下草で日陰で映える品種

日陰で映える下草は、限られた光の中でも健康的な葉色を保ち、しっとりと落ち着いた雰囲気を演出します。和風庭園では、北向きや樹木の下など、日照が少ない場所を魅力的な空間に変えるために欠かせません。

代表的なものにハランがあります。大きく光沢のある葉が特徴で、日陰の庭に重厚感を与えます。オモトは四季を通して緑を保ち、赤い実が冬の景観を彩ります。

これらは耐陰性が高く、ほとんど手入れをしなくても美しさを保てる点が魅力です。

また、ギボウシは日陰でも育つ多年草で、品種によって葉の色や模様が豊富です。初夏に咲く花も涼やかな印象を与えます。


斑入りヤブランは日陰でも明るい印象をもたらし、秋には紫の花穂が庭に彩りを加えます。

日陰の植栽では、湿度管理がポイントです。水はけが悪すぎると根腐れを起こしやすくなりますが、極端な乾燥も避ける必要があります。

腐葉土を多めに混ぜた土壌に植えると保水性と通気性のバランスがとれ、健康的な生育が期待できます。

こうした日陰向けの下草を効果的に配置すれば、和風庭園の奥行きと落ち着きが一層引き立ちます。

和風の一年草は?季節感を出す種類

一年草は一年のうちに発芽から開花、結実までを終えるため、和風庭園に季節の変化を生き生きと反映させることができます。

多年草のように長期間植えっぱなしにはできませんが、その分、季節ごとに植え替えて景観を更新できる柔軟さがあります。

春には、ヤエザクラソウやナデシコが人気です。ヤエザクラソウは華やかな八重咲きの花が庭に立体感を与え、ナデシコは淡い色合いが石や砂利と調和します。夏場はアサガオやホオズキが情緒を添えます。

アサガオは棚や垣根に絡ませれば立体的な陰影を生み、ホオズキは赤い実で夏から初秋にかけての見映えを高めます。

秋にはコスモスやキバナコスモスが長く咲き続け、風に揺れる姿が季節感を強調します。冬場は花が少なくなりますが、年末年始に向けてパンジーやビオラを植えれば、早春から鮮やかな彩りを楽しめます。

一年草を和風庭園に取り入れる際は、花色や草丈を他の植栽や庭石と合わせることが重要です。特に赤や黄の強い色は、背景に常緑の低木や濃い下草を配置することでバランスが取りやすくなります。

季節ごとの植え替え作業を計画に組み込み、年間を通して庭の表情を変化させることがポイントです。

もみじに合う下草におすすめなのは?

もみじは四季ごとに葉色を変え、特に秋の紅葉は和風庭園の象徴的な景観をつくります。その足元を彩る下草は、もみじの美しさを引き立てつつ、落ち葉後の冬景色にも対応できる種類を選ぶことが大切です。

春から夏には、ギボウシや斑入りヤブランが効果的です。ギボウシは大きく柔らかな葉で足元にボリュームを加え、斑入りヤブランは明るい葉色が緑の濃淡にリズムを生みます。これらは半日陰でもよく育ち、夏場の強い日差しも適度に和らげます。

秋の紅葉シーズンには、タマリュウやリュウノヒゲの濃緑が赤や橙の葉色を際立たせます。さらに、部分的に苔を配置すると、しっとりとした和の趣が増し、落ち葉との対比も美しくなります。

植栽の際は、もみじの根元を直接覆わず、根を傷めない距離を保つことが重要です。株間を空けて風通しを確保し、落ち葉が自然に堆積して有機質となる循環を活かすと、手入れも容易になります。

こうした工夫により、もみじの足元は一年を通して整い、四季折々の景観を支える存在となります。

和風の庭に合う草花で四季を彩る

和風の庭に草花を取り入れることで、季節ごとの移ろいをより鮮やかに感じられます。常緑樹や下草だけでは出せない華やぎや軽やかさを加える役割があり、訪れるたびに違った表情を楽しめます。

春は、サクラソウやスイセンが庭のスタートを明るく演出します。サクラソウは柔らかな花色と可憐な姿が石組みや飛び石の周囲とよく調和し、スイセンは整った花形と香りで春の訪れを告げます。

初夏から夏にかけては、アヤメやキキョウがおすすめです。アヤメは端正な立ち姿と深い紫色が庭に凛とした印象を与え、キキョウは星形の花が涼しげな雰囲気を作ります。これらは和風庭園の水辺や小径沿いにもよく映えます。

秋は、シュウメイギクやホトトギスが見頃です。シュウメイギクは白や淡い桃色の花が紅葉と重なり、落ち着いた中にも優雅さを加えます。ホトトギスは独特の斑点模様が趣を添え、秋の深まりを感じさせます。

冬場は花が少なくなりますが、サザンカやロウバイが庭に彩りを残します。サザンカは寒さの中でも咲き続け、ロウバイは黄色い花と甘い香りで厳冬期の庭を明るくします。

こうした草花は、色や形だけでなく、植える位置や背景との組み合わせによって魅力が引き立ちます。高木や低木、下草とのバランスを考えながら配置すれば、四季折々の変化を存分に味わえる和風庭園を実現できます。

和風庭園に合う下草の魅力について総まとめ

  • 下草は庭の景観を引き立てる重要な植栽要素
  • 管理のしやすさと景観効果の両立が選定のポイント
  • タマリュウは常緑で雑草抑制効果が高い
  • リュウノヒゲは涼しげな印象を与える多年草
  • 斑入りヤブランは日陰を明るく見せる彩り効果がある
  • セキショウは湿地や水辺で映える黄金葉が人気
  • カンスゲは冬も色あせず石組み周りに適する
  • ギボウシは半日陰で育ち奥行きある景観を作る
  • ハランは重厚感を足元から演出する常緑植物
  • オモトは赤い実で冬の庭に季節感を加える
  • コケ類は石組みや飛び石を自然に覆う効果がある
  • フッキソウは日陰で優秀なグランドカバー植物
  • 日向向きと日陰向きの下草を適所に植えることが重要
  • 和モダンの庭では直線的な構造と下草の柔らかさを調和させる
  • 庭木や低木との組み合わせで景観の一体感が生まれる

コメント

タイトルとURLをコピーしました