庭石の種類と価格を調べている方は、選ぶ石によって費用がどのくらい変わるのか気になっていることでしょう。
本記事では、庭石の種類一覧を踏まえた価格帯の目安や、庭づくりの主役となる景石にはどんな種類があるのか?という基本的な疑問、さらに景石と庭石の違いは何ですか?という用語整理までをわかりやすく解説します。
高価な庭石の条件や相場を取り上げつつ、庭石をおしゃれに見せるコツ、ホームセンターで選ぶ際の注意点、大きな庭石の値段に関するサイズ別の考え方まで、購入前の判断に必要な情報を網羅しました。
読み終えるころには、庭石の種類によって価格が大きく変わる理由と、自分の庭に最適な選び方の道筋が明確になるはずです。
- 主要な庭石の種類と価格帯の全体像がわかる
- 景石と庭石の役割の違いと選び分けが理解できる
- 大きさや産地ごとの値段の考え方と目安がつかめる
- 購入から設置までの流れと追加費用を把握できる
庭石の種類と価格の基礎知識

- 庭石の種類一覧とそれぞれの特徴
- 庭石の値段や相場を知っておく理由
- 景石にはどんな種類があるのか?
- 景石と庭石の違いを理解しよう
- 高価な庭石が持つ条件と具体例
庭石の種類一覧とそれぞれの特徴
庭石は、その成り立ちや採取された環境によって性質や外観が大きく異なります。
川の流れに磨かれて角が取れた丸みのある川石、山肌から切り出された荒々しい質感を持つ山石、波や潮風によって独特の風合いが生まれた海石など、それぞれの背景が石の表情に表れます。
同じ種類でも色合いや模様、表面の滑らかさなどは個体ごとに差があり、その多様性が庭造りにおいて豊かな表現を可能にします。
国産の代表的な庭石には、以下のようなものがあります。
- 岐阜県産の揖斐石・揖斐川石:硬質で耐久性が高く、自然な色合いと重厚感が魅力
- 諏訪鉄平石:板状で割れやすく、飛石や敷石に適する。濡れると深い色味になる
- 久栗坂石:層理構造が美しく、景石としても装飾性が高い
- ブラックスレート:深い黒色が特徴で、モダンな庭にも調和する
- 六方石:柱状節理を持ち、直線的で整った形が現代的なデザインに映える
海外からの輸入石材では、インドネシア産のジャワ鉄平石など、加工性が高くコストパフォーマンスに優れたものも選ばれています。
用途は多岐にわたります。庭の主役となる景石、石組みの一部として用いる添石、歩行のための飛石、敷地境界や土留めに使う縁石、下地や装飾に使う割栗石や砂利まで、それぞれの目的に合った石種を選ぶことが大切です。
美観だけでなく、厚みや形状、足元の安全性、経年による風化の味わいなどを総合的に判断することが、庭石選びの満足度を高めます。
庭石の価格相場一覧【2025年最新版】
庭石は、種類や産地によって価格が大きく異なります。ここでは、代表的な庭石の種類と、おおよその現在の価格相場を一覧でご紹介します。
●代表的な庭石の価格表
石種・商品例 | 単位 | 目安価格 |
揖斐石 | 1t | 40,000円〜60,000円 |
揖斐川石 Φ300–700mm | 1t | 50,000円〜70,000円 |
岐阜石(チャート)300-400mm | 1t | 55,000円〜75,000円 |
諏訪鉄平石 | 1t | 150,000円〜180,000円 |
久栗坂石 Φ600–1000mm | 1t | 180,000円〜220,000円 |
ブラックスレート大判 | 1t | 200,000円〜250,000円 |
揖斐青黒石 約Φ500 | 1t | 60,000円〜80,000円 |
揖斐青白石 約Φ500 | 1t | 40,000円〜60,000円 |
六方石延石 1面皮付き | 1本 | 55,000円〜70,000円 |
ジャワ鉄平石 600–700mm | 1枚 | 9,000円〜12,000円 |
ジャワ鉄平石 Φ700–900mm | 1枚 | 18,000円〜22,000円 |
●参照元サイト
この記事の価格情報は、以下の信頼できる石材専門サイトやメーカー、ECサイトの情報を参考に作成しています。
- 造園資材館: https://www.zouenshizaikan.jp/
- 新東京産業株式会社: https://www.shin-tokyo.co.jp/
- ストーンマテリアル: https://www.toyo-sekiso.co.jp/
- エム・エス・シー: https://msc-stones.com/
- 楽天市場: https://www.rakuten.co.jp/
- 複数の石材専門ECサイト: 複数の販売価格を総合的に判断
注意点: 上記の価格はあくまで目安です。実際の価格は、石の品質、サイズ、加工状態、運搬費などによって大きく変動します。購入を検討される際は、必ず複数のサイトで最新の情報をご確認ください。
庭石の値段や相場を知っておく理由

庭石の価格は、石の種類や大きさ、形状、希少性、加工の有無など複数の要因で決まります。
景石のように形が整っており、庭の主役としてそのまま置けるものは、一基ごとに価格が設定されることが多く、希少性の高い石では数十万円から百万円を超える場合もあります。
一方、敷石や割栗、砂利などは、重量(トン)単位や面積単位(平方メートル)で計算されるのが一般的です。
さらに重要なのは、石代だけでは総費用が見えないという点です。搬入経路が狭い、重機が必要、設置場所が傾斜地であるなどの条件によって、運搬費や人件費、重機使用料が大きく変動します。
大型の景石を設置する場合、クレーンなどの重機費用は1日あたり数万円台になることが多く、搬入と設置の作業人員の人件費も加わります。
そのため、石代よりも付帯費用のほうが高くなるケースも珍しくありません。相場を事前に把握し、見積もりでは必ず「石代」と「付帯費」を分けて確認することが重要です。
これにより、予算オーバーを防ぎ、同じ予算でも石の質や配置により多くの資金を割けるようになります。
景石にはどんな種類がありますか?

景石は庭の中で視線を集める焦点であり、その庭の印象を大きく左右します。単なる石材ではなく、置かれることで空間に物語性や格式を与える存在です。
国内には数多くの銘石があります。
- 貴船石(京都府):輝緑凝灰岩に属し、緑から黒まで色幅があり、濡れると艶が増す
- 吉野川石(奈良県):貴船石に似た質感で、表面の模様が豊か
- 佐渡赤玉石(新潟県):鮮やかな赤色が特徴の硬質石で、和庭に映える
- 伊予青石(愛媛県):青緑色で層状に割れるため、板状の意匠や壁面装飾に適する
- 高山石(岐阜県高山市周辺):水流による窪みや皺模様が見られ、黒地に白のアクセントが美しい
- さざれ石(全国各地):礫が自然に結合した独特の構造で、希少性が高い
景石を選ぶ際は、形や色だけでなく据える向き、周囲の植栽や砂利との相性を考慮します。添景となる下草や苔、背景の建物との距離感なども含め、全体のバランスを整えることが、景石の魅力を最大限に引き出す鍵となります。
同じ石でも配置や角度を変えるだけで印象が大きく変わるため、施工前に仮置きして確認することが推奨されます。
景石と庭石の違いを理解しよう

庭石という言葉は、庭園や外構に使われるすべての石材を指す総称です。飛石や縁石、割栗、砂利など、実用面や装飾面を含めた広い範囲が対象となります。
その中で景石は、特に庭の主役や視線の焦点となる石を意味し、選定基準も他の庭石とは異なります。
景石の評価は、以下の要素が重視されます。
- 全体の形状の美しさや安定感
- 表面の質感や風化による味わい
- 据え付けた際のバランスと座りの良さ
- 他の庭要素(植栽、灯籠、水景など)との調和
価格面でも差があります。景石は一基ごとの価格設定が一般的で、その希少性や美観が直接的に反映されます。
一方、庭石のうち景石以外のもの、例えば敷石や割栗石、砂利などは、重量(トン単位)や面積(平方メートル単位)で見積もられるのが普通です。
この違いを理解すると、限られた予算の中でどこに重点を置くべきか判断しやすくなります。
例えば、庭の中心を飾る景石には予算を厚く配分し、周辺の敷材や縁石にはコストパフォーマンスの高い石種を選ぶことで、全体の完成度を保ちながら費用を抑えられます。
高価な庭石が持つ条件と具体例

市場で高額取引される庭石には、下記のように明確な特徴があります。
●第一に希少性が高いこと
採掘量が限られている、もしくは採掘が終了している石種は需要に対して供給が少なく、価値が高騰します。
●第二に形の完成度
景石としてそのまま使える造形美を持つものは、加工不要で美観を発揮できるため高く評価されます。
●第三に表面の風化や色合いが魅力的であること
自然な苔付きや水磨きされた肌などは、時間をかけてしか得られない風合いです。
具体例として、高山市周辺で産出される高山石は、大型かつ造形の優れたものが100万円を超える価格で取引され、希少な場合は数百万円に達することもあります。
写真にある阿波の青石は楽天市場で99万円で販売されており、大きく希少価値があるものは高額で取引されています。
さざれ石は礫が自然に固結した構造を持ち、採掘できる場所が限られるため、小型でも数万円、中型以上では十数万円以上になることが一般的です。
京都の貴船石は現在流通量が少なく、色や形が良好な個体は高値がつきやすい傾向があります。
また、同じ産地や石種でも個体差は大きく、わずかな形状の違いや座りの安定感で評価額が変わります。
高価な庭石を選ぶ際は、写真やカタログだけでは判断せず、現物を確認し、設置方向や周囲との調和まで含めて検討することが望まれます。
庭石の種類や価格を比較して選ぶ方法
- 庭石をおしゃれに見せる配置と工夫
- ホームセンターで探す庭石の種類と選び方
- 大きな庭石の値段とサイズ別事例
- 庭石購入から設置までの流れと費用感
- 庭石の種類や価格を踏まえた活用まとめ
庭石をおしゃれに見せる配置と工夫

庭石を美しく見せるには、単に高価な石を置くだけでなく、全体の構成や配置に工夫を凝らす必要があります。主景となる景石は1つに絞り、補助的な石は高さや向きを変えて配置することで、庭全体にリズムと奥行きを生み出します。これは日本庭園の石組技法にも通じる基本です。

飛石を設ける場合は、歩く人の歩幅に合わせた間隔とし、踏面が水平になるような厚みを選びます。
素材の組み合わせも重要で、例えば黒系の景石には白砂利を、茶系の岐阜石には緑の下草を合わせるなど、コントラストを意識すると輪郭が引き立ちます。
また、雨や散水によって濡れた際の色味も確認しておくと、天候や季節による変化を楽しめる庭になります。
照明も効果的な要素です。ローボルトの間接照明を使い、石肌の凹凸を舐めるように照らすと、夜間に陰影が生まれ、少ない石でも存在感を強調できます。
ライトの色温度を暖色系にすれば温かみが、寒色系にすれば静謐な雰囲気が加わります。
ホームセンターで探す庭石の種類と選び方


ホームセンターでは、直径1mを超えるような大型の景石はほとんど取り扱っていませんが、DIYや小規模な庭づくりに適した中型から小型の庭石は幅広く揃っています。
特に、飛石、割栗石、玉砂利、大判の敷石などは多くの店舗で購入できます。
例えば、カインズやコメリといった大型ホームセンターでは、次のような庭石が販売されています。
商品タイプ | 特徴 | 主な用途 | 価格帯(目安) |
---|---|---|---|
飛石 | 天然石を加工した平板状 | 動線の確保、和風庭園の演出 | 1枚1,000〜3,000円 |
割栗石 | 不規則な割れ形状 | 花壇縁取り、土留め | 1袋(20〜25kg)800〜1,500円 |
玉砂利 | 丸みのある小石 | 砂利敷き、装飾、防草 | 1袋(20kg)700〜1,200円 |
大判敷石 | 平らで大きめの石板 | テラスやアプローチ | 1枚2,000〜6,000円 |
川石(小〜中) | 自然な丸みと色合い | 水景、添景 | 1袋(20kg)1,000〜2,500円 |
大型石を求める場合は、店舗の資材売り場や屋外展示場を確認するのがポイントです。
一部の地域密着型ホームセンターや園芸資材併設店では、直径50〜80cm程度の中型景石を在庫しており、フォークリフトや軽トラックで搬出できる体制を持つところもあります。
●購入時には以下の点も確認しておくと安心です!
- 自宅までの配送サービスの有無と料金
- 搬入経路の幅や段差
- 取り寄せ可能な石種やサイズ
こうした事前準備をしておくことで、ホームセンターでも庭づくりに適した石を効率的に探すことができます。
大きな庭石の値段とサイズ別事例
大型の庭石は、その迫力や存在感によって庭全体の印象を決定づけますが、その分価格と施工コストも高くなります。
この動画の通り大きな景石になると大きなクレーン者などの重機と複数の作業員が必要になります。
費用は石そのものの代金に加え、運搬費、人件費、重機使用料がかかるため、サイズが大きくなるほど総額が跳ね上がる傾向があります。
以下はサイズ別の石代目安の一例です。
サイズ感・用途例 | 石種・仕様 | 単位 | 石代目安 |
---|---|---|---|
中型の主景(〜Φ700mm) | 岐阜石 500〜700mm | 1t | 約49,500円 |
大判の張石(歩行用) | 諏訪鉄平石 各種 | 1t | 約132,000円 |
大型の主景(Φ1000mm級) | 諏訪鉄平石 1000〜1500mm | 1t | 約132,000円 |
黒系の存在感重視 | ブラックスレート大判 | 1t | 約198,000円 |
造形重視の一点物 | 高山石 | 1基 | 100万〜数百万円台 |
希少で独特な表情 | さざれ石(小〜中) | 1基 | 数万〜十数万円台 |
大型の景石は据付時にクレーンなどの重機が必要になる場合が多く、重機費用は1日あたり数万円、搬入人員の人件費も加わります。
そのため、予算が限られる場合は、サイズよりも座りの良さや設置向きとの相性を優先したほうが、庭全体の完成度とコストバランスを両立できます。
庭石購入から設置までの流れと費用感
庭石を購入してから設置までのプロセスは、計画的に進めることでトラブルや余計な費用を防ぐことができます。一般的な流れは以下の通りです。
- 目的と雰囲気の整理
庭の中心となる景石を置くのか、歩行用の飛石や縁石を設置するのか、和風かモダンかなどテー マを明確化します。 - 候補石の選定
サイズ、厚み、表面の質感、座りの安定感を確認し、複数の候補を比較します。 - 現地条件の確認
搬入経路の幅、高低差、地盤の状態、既存物の配置などをチェックします。 - 見積もり取得
石代と付帯費(運搬費、重機費、人件費など)を分けて提示してもらい、条件を比較します。 - 据付計画の策定
据える方向、根入れ深さ、見切り材や防草シートの有無を決定します。 - 施工
養生、搬入、据付、転圧、整地、清掃を行います。
費用の目安としては、運搬費が数万円台、重機費が1日あたり数万円台、人件費は作業人数×日当で算出されます。
特に重量級の景石では付帯費の割合が高くなるため、石の点数を減らして質を高める戦略が有効です。
また、搬入前に地縄やスプレーで設置位置をマーキングし、仮置きで向きを確認してから最終決定すると、手戻りを減らせます。
庭石の種類や価格を踏まえた活用まとめ
- 庭石の種類は産地や岩質で異なり外観や用途が大きく変わる
- 庭石の価格は石種やサイズや希少性や形状など複数の要素で決まる
- 景石は庭の主役として一基ごとの価格設定がされやすい
- 景石と庭石の違いを理解すると予算配分が明確になる
- 高価な庭石は希少性や形の完成度や風化の美しさが条件となる
- 高山石やさざれ石や貴船石は高額取引の代表例として知られる
- 庭石をおしゃれに見せるには余白と高低差と配置の工夫が必要
- 石と砂利や植栽の色の組み合わせで輪郭や印象を強調できる
- 照明を活用すると夜間でも石の存在感を引き出せる
- ホームセンターはDIYに便利な小型から中型の庭石が幅広く揃っている
- 大型の庭石は運搬や据付費用が高くサイズより座りの良さが重要
- 購入から設置までは計画的に進めることで費用や手間を抑えられる
- 搬入経路や地盤状態の事前確認で施工トラブルを防げる
- 見積もりでは石代と付帯費を分けて比較検討することが有効
- 庭石の種類と価格を理解すると長期的に満足度の高い庭づくりが可能になる
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